経審の社会性等(労働福祉の状況)が一部改正
5月1日付けで国土交通省より経営事項審査(以下、経審と略す)の改正の告示がありました。改正の内容は、保険未加入企業への減点措置の厳格化ということです。具体的には下記の通りとなります。
経審制度のその他の審査項目(社会性等)W評点の労働福祉の状況は、5つの労働福祉の項目がありますが、その中の「健康保険及び厚生年金保険」の加入の有無で評価していたものを「健康保険」と「厚生年金保険」に分け、「雇用保険」と合わせ3つの保険に対して加入の有無を評価することになります。
さらに、点数に関しては現行経審でこれらの保険に未加入のとき各減点30点であったものが、改正経審では各減点40点となります。
経審評点への影響
仮に全て保険に未加入のとき現行経審では30点×2=60点の減点が、改正経審では40点×3=120点の減点となり現行経審より60点多く減点されることになります。保険の60点減点は、総合評定値P点に換算すると85〜86点の減点となり大きくP点を下げることになります。
経審評点への影響
改正で影響がでる企業は私共、日本コンサルタントグループが独自に集計した平成22年の経審申請企業約15万社において、雇用保険未加入企業は約12000社で全体の8.0%、健康保険及び厚生年金保険未加入企業は約15000社で全体の10.0%を占めています。今回の改正は、これらの企業が点数の減点に繋がります。各3保険に全て加入もしくは適用除外の企業は点数に変化はありませんので安心してください。
改正の背景
今回の経審改正の背景には、建設産業において下請企業を中心に、雇用、医療、年金保険について法定福利費を適正に負担しない企業(すなわち保険未加入企業)が存在することから、技能労働者の公的保証がされず、若年入職者減少の一因になっているほか、関係法令を遵守して適性に法定福利費を負担する企業ほど競争上不利となるという状況が生じているためです。
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